介護雑感26

 

遠距離介

3年に1度(決めた訳ではないけれど、)くらい、中学校の同窓会が開かれていた。同窓会と言うよりも。気の合った仲間。女性4人。男性3人のグループである。今まで十数回にわたり、箱根、日光、霧降高原、千葉の海の宿。。いろいろなところを旅した。会った途端に。中学生に戻る。話は尽きない。時間はあっという間に。過ぎる?今年も。それで、連絡を取ったが、残念ながら。2人が亡くなっていた。普段は連絡を取り合っていないので。何がなんだかわからない。もう開けない。

二人は「ぼっき」と「ピロ」久保木さんは、乳がん、ピロは介護疲れで脳出血であっという間にいなくなった。

久保木さんのあだ名は、久保木の保木から「ぼっき」に、中学生のことは、性に特に関心があって毎日がスカートめくりや、掃除の時間は時にふざけっこの時間だった。「ぼっき」は「久保木夏子」から来ているのだけれど、彼女は勃起の意味が判らなくってとってもはしゃいでいて本人が一番気にいっていたようで、自己紹介のさい「ぼっきです。よろしくお願いします」といって、男の子の方が顔を赤らめるくらい恥ずかしかった。夏子の通り、頭は僕よりも悪かったが、なにしろ陽気。朝から晩までじっとしていることはない。熱海で初めて7人でカラオケを体験。彼女は、「こんばんわ。瀬川洋子でございます。長崎は,今日もむらさきを謳って爆笑。ところどころ歌詞をかえ、途中でアラ、ヨイショだのドッコイなどもう彼女のワンマンショー」まったく,とっくに50超えているのに、セーラー服を着せたならもう中学生。普段,無口で優等生の私まで。カラオケを。彼女は、うまい。さいこう、としちゃんがんばれ、口はもう止まらない。乳がん発症して、抗がん剤を拒みわずか1年の闘病生活。救われるのは、あの笑顔が永遠に脳裏に焼き付いていること。享年67歳

吉田寛子のあだ名は、ひろこのひろから「ピロ」に。ひらがなのぴろではない。これは絶対にカタカナでないと。「ピエロ」にイメージかもしれない。おかしな事でも真面目にしかできないからなお、おかしい。みんなはぞうきんを投げて、あそんでいるのに、なぜかひとり真面目で、「そんなこと、やってはいけませんよ。」とかいって、まるでお母さんみたいに真面目に説教する。それが、また、たまらなく面白くて,彼女の前でわざと仕向ける。ピロはご両親が歯科技工士を経営していて、両親とも働きもので、いつも白衣で1日中入れ歯の粘土の頭が痛くなるような独特のにおいが感じられた。あまり詳しくは知らないけれど両親は二人高校生の時に他界。お兄ちゃんと二人でガンバリやさんで、学校の成績も優秀。地味に目立たない子で、掃除もきちんとするし、挨拶もきちんとして、気持ち悪いくらい真面目な人。ノートの字もきれいだし、言葉も丁寧すぎ。級長になるように生まれた人で、どの学年でも級長。今もって不思議なのは、なぜこの7人になったのかがわからない。それぞれ7人はクラスでは、別行動派で卒業まで仲良しという間柄でななかった。私が同窓会幹事の時、無断で欠席したやつが2人いた。私は、はがき代や料理代を負担して当時給与の1月分位の赤字を出してしまった。私がピロに話すと、同級生として許せないとすぐに電話をしてくれた。結局金を払わない2人はそれっきり連絡はしない。同級生に往復はがきで出しても10数人ははがきも戻らない、電話をしても、同窓会なんで出たくない、連絡もいらないと。七面鳥(中村君 起こると顔が七変化)あいつは社会人として失格である。バッタ(旗君 足が速いだけ)あいつもダメだ。だから禿げた。それから、ピロに逢う度に2人は許せないという話から始まる。ピロは脳出血。自分は、習志野の祖父の土地建物があったので結婚しても、近くに住んでいて買い物ではよく出会った。旦那の両親は神奈川県茅ヶ崎市、父母どちらの介護が分からないが、亡くなる3年前位から、週末には必ず遠距離介護。茅ヶ崎までは約2時間、交通費は1回5千円位。立ち話では、ふと「交通費も大変だし、自分の三人の子供の世話、だんなの世話に加えて両親の介護、疲れるの?」と話を聞いたことがある。そんな、ある日自分が脳出血で倒れ、2ッ月入院。責任感の強い人だったので、そのショックはそうとうだったに違いない。自宅で睡眠薬を飲み自ら命を絶ったとの話がもれ聞こえてきた、がはっきりした死因はわからない。享年70歳。

介護保険制度があるから、老後は安心、確かに設立当初は。かったけどその後お金が不足に

切り捨て切り捨て、介護保険料も増えて,生活弱者には重いい負担を強いられ、特別老人ホームはほぼ入居できないし、ますます自宅介護を強いられている。離婚が増え、1人で高齢になる人が急激にふえている。お金の切れ目が命の切れ目になりつつある。自分で生きる力は必要だ。

あんまり頑張りすぎるなよ?でも、ふたりにとってはいい人生だったと信じたい。同級生が生きているかぎり、絶対に忘れない。ご冥福をお祈りいたします。

ちなみに,私のあだ名は、「西洋だぬき」、目がまん丸の母ゆずり二重まぶた。目が大きくて、腹が出てる?中学は陸上部なので、腹は出てない。掃除の時間になると化けていなくなる。これはほんとだな?卒業の将来なりたい職業は電車の運転手。(これは、父が国鉄ママンであちこっち連れて行ってくれたから。当時は親父といれば顔パスで運転席まで入れた時代)

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