食生活とアスリート

 平成21年初場所、横綱朝青龍が苦闘6か月、引退危機を乗り越えて優勝した。モンゴル相撲を自認する朝青龍にまたしても優勝旗が渡ったことは、日本人としてくやしい思いがするが、優勝そのものは素直を評価しなくてはいけないだろう。横綱の品位をめぐっては、たびたび問題を起こしているが、勝負の世界では一緒くたに事は語れない。場所前の稽古総見でも、動きに精彩が感じられず、多くの相撲評論家も序盤の引退を強く示唆した発言が多かった。
 ydh918-jlp07624314優勝の会見で見せたガッツボーズ(これも、横綱の品位にかけると批判)とうれし涙はそれでも感動をあたえるに充分であった。翌日に新聞記事を読んでいたら、このような記事が載っていた。
 生活改善の勝利・今場所の朝青龍は場所真前に一切のタバコを断ち切り。食生活を改善し体調に誰よりも気を使った。ウオッカなら5本を毎晩空にする酒豪が乾杯のビールを1杯口にしただけで。お変わりはウーロン茶。夕食もバランスを考えて焼肉中心からちゃんこへ。ちゃんこは本来野菜が幾種類も入っていて肉はだしを取るために使われる程度。食後はたにまちの誘いも断り、午後十時には帰宅。長女イチンホルロちゃん(4歳)との時間を大切に翌日に備えた。年末153キロだった体重も148キロまで絞られた。年齢からくる体力の消耗を抑える為に、練習は時間を短くして気持ちを切らさぬように集中していた。

 ところで、スポーツと食については、密接な関係があることは過去いろいろの話を聴いたり、読んだりしたことがある。
 野球では、西武ライオンズの広岡監督が選手の食を玄米に変え、監督初年度からパリーグの優勝に貢献する実績を上げている。監督は、優勝会見の中で、シーズン中怪我がすくなかったことが一番にあげているが、これは食と関係があることは評論家の誰一人として否定できない。

 唯一例外は清原選手で飲めば飲むほど実績があがり、若さが爆発しているのでそれはそれとして、、、しかし、あれほどまでに素晴らしい実績を残していても、個人タイトルは一度も取ることがでshow_imgきなかった。スーパースターというのは、凡人とちがって何か特別なパワーを秘めているのだろう。ご承知の通り、清原選手は引退後覚せい剤に手を染め。逮捕された。今も、リハビリの毎日である。死を覚悟したこともあると語っている。いまさらにして、思えば目先の成績が良かったせいもあって油断したのかもしれない。体調は、すべての結果である。暴飲暴食をして、記憶に残る選手にはなっても、記録に残る選手にはなれない。