世界種子貯蔵庫

今、種があぶない。ここは、世界の植物の種子が集められている。日本で有名な古代ハスは、植物学者でハスの権威者でもある大賀一郎(当時・関東学院大学非常勤講師)が発掘品の中にハスの果托があることを知り、1951年(昭和26年)3月3日から地元の小・中学生や一般市民などのボランティアの協力を得てこの遺跡の発掘調査を行った。調査は困難をきわめめぼしい成果はなかなか挙げられなかったが、翌日で打ち切りという30日の夕刻になって花園中学校の女子生徒により地下約6mの泥炭層からハスの実1粒が発掘され、予定を延長し4月6日に2粒、計3粒のハスの実が発掘された[注 2]。大賀は5月上旬から発掘された3粒のハスの実の発芽育成を、東京都府中市の自宅で試みた。2粒は失敗に終わったが3月30日に出土した1粒は育ち、翌年の1952年(昭和27年)7月18日にピンク色の大輪の花を咲かせた。このニュースは国内外に報道され、米国ライフ週刊版1952年11月3日号60頁に「世界最古の花・生命の復活」として掲載された。種子は人類の宝物であり、自然の贈り物。永久凍土に開けて、大切に保存されているスヴァールバル世界種子貯蔵庫(スヴァールバルせかいしゅしちょぞうこ、Svalbard Global Seed Vault)は、ノルウェー領スヴァールバル諸島最大の島であるスピッツベルゲン島に位置する種子銀行である。「スヴァールバル・グローバル・シード・ボルト」現代版「ノアの箱舟」とも称する。なお正式名称は「あらゆる危機に耐えうるように設計された終末の日に備える北極種子貯蔵 (三橋 敏次)

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