あたりまえの卵

さて、日本綜合医学会の部会のメンバーのお一人でいらっしゃいます農学者の現役役員並びに会員が、当機関紙に初の原稿執筆下さいました。大松氏です。農業の哲学者と呼ばれています。生きる為、命と直結は農業です。その向こうには土があります。日本は、これまで農業後継者育成に力を入れなかった為、田畑を耕す後継者がいません。日本国存続にも大きく危機を及ぼしていくこと確実です。自給率の低下にも結びつき、日本人は自国の農産物で、健全に生かされるという原点を失っては大変です。失望のどん底に落ちる前に、今、大きな呼びかけで農業を守ろう、土を耕そうと訴えていきたいものです。NPO 日本綜合医学会 理事長 安岡富士子

日本の養鶏は、もう海外の餌なしにはなりたたない昔の卵は、大松牧場で生産された卵のように、育てる環境や農薬を使わないのが当たり前の世の中。でも、今はちがうのです。海外から農薬を使用したトウモロコシに餌を与えて、鶏をゲージに押し込んでさながら、工業製品のように作り出しています。このような卵は、もう普通のたまごではないのです。畜産も同じ。その餌は遺伝子組み換え作物のコーンが大量に使われている。多くの鶏舎は鶏をゲージに閉じ込めてまるで卵の加工場である。千葉県、旭にある養鶏場大松農場では太陽と水と自然の中で鶏を育てている、一番の特徴は餌であり、大松さんは餌の配合までインターネットで公に公開している。戦後から比べれば、卵の値段は下がっていて、食の優等生であるのだがもうそれも時間の問題かもしれない。自分は今食べている卵がどこでどのように生産されたかも知らずに、今日もスーパーの特売の目玉は卵である。特売日には10個入り一ケースが100円台にまでなっている。安いたまごには、それなりの理由があり、それでも利益があがっているということは?

(三橋 敏次)

以下、大松農業ホームページより引用

http://www.omatsu-nojo.or.jp/omatu_tamago.html

 

第九回 4月10日(木)

皆 様お変わりございませんか。

 私達は今、一日一日と大きな農業・経済の大変革の時に遭遇しております。世界的に 膨 らむ物量と価格不安はとどまるところを知らず、高品質、非遺伝子組換えの種などは、まさに風前の灯火です。自然の摂理、生命の摂理を知らない、そして感じ えない者や、“お金唯一”の人達は、いまだエイリアンのごとく世にはばかっています。

 今こそ、農と生命と平和 を ベースにし、汗と安らぎと共に、人生の賛歌を称え合えるコミュニティーの場を、私達の足基(あしもと)にて仕上げねばなりません。そう強く思いながら、私 は行動にはいっております。

 ところで今朝、我が家の直売所横に群生する、菜の花を見 回っていたのですが、メスの雉(きじ)が飛び出してきました。暖かい日にはミツバチやモンシロチョウも喜んで舞っております。桜も今が満開です。畑には野 草と共生の野菜たちが、極めて美しく、逞しく育っております。

 いよいよ村のお神楽も終わり、水田の種まき、田 植 えの準備と農繁期に入ります。
百姓3代目 大 松秀雄

https://youtu.be/rHGwf4BH1tk?t=4

https://youtu.be/v2HeRLYW8Jo?t=4

第八回 4月1日(月)

合 掌 ありがとうございます。

 皆様お変わりございませんか。私は久し振りに風邪を引き、声が出なくなりまし た。  20年位前にも1ヶ月程声が出なかった体験もあるのでチョット心配でしたが、おかげさまで1週間くらいで治りました。感謝です。

  庭の梅の木が、まだ薄ら寒いのにもかかわらず、香りを漂わせながら咲き始めました。でもウグイスのさえずりはまだのようですです。

  鶏たちのほうは寒さにも負けず元気一杯ですが、今後、持続的な穀物の高騰と不足が予測されますので、その対策方策を考えを変えねば成らぬ時になりました。 お金のつながりも大事ですが もっと生命のつながりを増してみたいです。

 我が古里では、3月27・28日と伊 勢 大神宮のお神楽があります。(数百年以上続いているそうです。)神楽師達は3月1日より練習をはじめ、お神楽の練習の太鼓の音が聞こえてくると、“水稲の 種子まきの準備だ!” と、百姓としての胸の血潮もフツフツと燃えたぎってまいります。

 さて、食のグローバル ス タンダードの中で、輸入食材に続々と問題が発生して参りました。今一度食の大切さ、お米の生産を基本とした農家のあり方、そして日本人としてのあるべき主 食のあり方を、世の中の色々な情報に惑わされず自分で家族で自分達で考える最高の時でしょう。

 そして皆様、ど う ぞ気が向いたら大松農場へ一度おいでください。
百姓3代目 大 松秀雄

 

 

 

 

第七回 2月22日(金)

心おだや かに本物を見極めよう !!
(買って食するだけでなく、共に作って食する気持ちを!)
  合掌 ありがとうご ざいます。

  いま、あまりにも経済的に効率化、分業化されていた食の世界で、あってはならない様々な偽装、事故等の問題が世間に噴出してまいりました。食の流通の専門 家と云われる方々がこぞって、「検査を厳しく!」とか、「検査員を海外にも派遣したほうが良い!」などとコメントしていますが、誠に的が外れていると思い ます。そもそも、生命の源である“食”は、大量生産出来ません。食のグローバルスタンダードが現実ですがこれ も 間違いです。食、生命は徹底的非効率でローカルであるべきなのです!こんな簡単なことが理 解されずに、特に先進国と日本では、合理性や経済性のみにて“食”が成り立っていると思われます。

 未だモデル が 極めて少ないですが、今一度の生産の技術革新と、農人としての農の役割をもって、心ある都市の方々や仲間達と大松農場をベースに、主体的に必ずもっとわか りやすく実現していくことを目指します!
百姓3代目 大 松秀雄

 

第六回 1月9日(水)

農の価値 と役割を
皆様と共によりわかりやすく実現!!
 合掌 ありがとうご ざいます。

 明けましておめでとうございます。
 皆様方には、希望に 満 ちた新年をお迎えの 事と存じます。

 私は、去年の暮れから新年にかけて、大きな多くの体験を致しました。「そろそろのんびり…」、 と 言う気持ちもあったのですが、驚くべき餌の高騰などの時代がいよいよ到来したことや、自分の志と役割を想うと、今一度のこれまでの仕事を香り高く仕上げ て、次世代に引継がねばと改めて強く感じさせられました。

 『生命の大事さ・尊さ』は、『百姓・農人とのつと め』 という心意気で、一貫して今日までやって参りました。これまで多勢の方々の出会いとご縁、ご指導、協賛そして天のご加護を頂き本当に倖せです。

  さて、いよいよ ”効率・経済万能主義” から、”生命・持続・循環の時代” に突入したと感じます。今年は ”生命の経済” と、”真のマネージメント” を、集中して仕上げたいと思っております。皆様のお知恵も是非お願い致します。

  共 に出せるものを出し合って、日本的情緒の中で香り高い醗酵をそれぞれの場から確立しましょう!
百姓3代目 大 松秀雄

 

第 五回 12月3日(月)

大松農場 の玉子・野菜・お米と、

今村に起きていること !
合掌 ありがとうご ざいます。

私は今まで多くの素敵な方々との出会いの連続の中、今日まで農に玉子にと、経営というより生業として 従事してまいりました。“いかに安全で(化学物質を使用せず)美味なるもの、鶏それから作物を快適に生産・生育できるか!” “いかに人に喜んでいただけ るか!”もちろん経営の事も無頓着であったわけではありませんが。“どんな事があっても他人には迷惑をかけない!“ 当たり前の事です。

  生業の玉子の味には自信があります。野菜もお米もパワーがありますよ!! 文字ではなかなか表現できませんから直接、皆様とお目にかかりたいです。直接農 場にもおいで下さい。本当の事はお互いに手間と暇をかけなければわからないものです。

 今はお金を出せば何でも 手 に入ると思われますが、まず不可能です。「買い食いはするな」と私も小さい頃はよく親に言われました。農家にお金がないことも理由の一つと思いますが、そ れだけではなかったのです。食の大事さ、生命の大事さとそしてむやみに素性のわからぬものは口に入れるな! と、先祖から生き続けるDNA、コツ、という より人・農民の本能の伝承だったのです。

 ところが今は村でも町でもどうですか? 自然に放牧した家畜は、遺伝 子 組換えの農作物を食べないと言う情報を私は聞いておりますよ。子供、孫、ひ孫。これからの人々のことも考えて、よりわかりやすく皆様に伝えられよう総力を 上げています。ネイティブアメリカンでも七代先、未来の人々のことを考えて今の生活をしていると聞きました。私も共感です。先の先々の事を考えられる方々 と最高の青春を、と、今燃えています!
百姓3代目 大 松秀雄
第 四回 11月13日(水)

確かな情 報・確かなよりどころを!!
(心の耳を澄まして)
合掌 ありがとうございます。

10 月末に1週間、米国イリノイ州の提携農家を訪問して参りました。

 急激なトウモロコシ・大豆におけるGMO(遺 伝 子組換え種子)栽培率の拡大(それぞれ80%・90%以上にもなります!)、バイオエタノール工場の増設と、それへのトウモロコシの転用(人間、家畜への 利用ではなく!)がアメリカ農家に大きな変化をもたらし、それが日本の私の経営にも、いよいよ大変化をもたらす事が確信いたしました。

  国際貿易による恩恵はもちろんですが、あまりにも安易に長期間のあいだ、食糧や飼料穀物を海外依存していたツケが噴出してきたのだと思います。 今こそ作物 栽培技術・家畜飼育栄養学を、いつまでも効率一辺倒の“近代学”のままでなく、より日本的な、例えば太陽だけでなく、お月様の役割も感じられるような、 『感性農業』として確立していく事が大事なのではないでしょうか? 

 恐らく穀物の質的・量的逼迫は、国内外問 わ ず急激に身近な問題 となるでしょう。このような時こそ足元を固めて“農業者”の役割を果たしたいと、今若者達と総力を挙げています。皆様方の中にも、有機・自然農業に興味の ある方は是非お早めにご連絡ください!

※アメリカにも土を大事にして、これを子孫に繋げようとしている家族的農 業者が沢山いることも再確認致しました。
※ミネアポリスとニューヨークの有機農産物店とファーマーズマーケット、それから、種子会社 と建設中のバイオエタノール工場の視察に行ってまいりました。こちらにつきましては、書ききれませんので、また改めてさせていただきたいと思います。
百姓3代目 大 松秀雄

第 三回 11月5日(月)

想いを新 たに…
合掌 ありがとうございます。

 わたくしは、生産者・百姓で す。玉 子も野菜も米も『生命(いのち)』そのものとの想いから徹底して安全で美味なるものの生産に励んでまいりました。し かし、商売人でも経営者でもありません。百姓としての勤めだけを果たしたいその一心で今日まで来ました。

 一 般的には化学物質を沢山使用し、効率、生産、お金第一の農産取引が行われています。現在私はよわい65歳になり ますが、この歳になってやっと無理なく有機無農薬栽培ができ、無理なく健康に生活でき、病 気も治ることをかなり見聞及び体験してまいりました。今はこのことを、皆様と次世代に伝えつなげたいと思ってお ります。

 皆 様への想いも益々つのるのみです。文を書くのがきわめて苦手ですが、やむにやまれず少しずつでも玉子、有機農産 物、気候、自然、農村の事、いま行っていること、これから実行しようとすることなど、直接 書いて、皆様にお伝えできればと思い、筆を 取り続けます。
百姓3代目 大 松秀雄

第 二回 9月10日(木)

田んぼの よせ(畦)草刈り
 田んぼのよせ刈りを行いました。今年は雨と太陽が程よいせいか、よせの草も大繁茂です。よせ の草が繁茂すると稲への風通しが悪くなるので、皆が早め早めに草刈りを行います。一般では除草剤を使用したほうが簡単なので沢山薬剤を使用する人もいま す。
 我 家は養鶏が主ですが、車で15分位離れた所に田んぼも70a程耕作しております。もう30年位無農薬・自然栽培ですので、殿様ガエル、タニシ、ドヂョウと 色々小動物、昆虫が生息しています。案の定、昨年に続いて今年も赤まむしが出現。目の前の草を除いたらまるまってやすんでおり、びっくり致しました。ヘビ は特に除草剤に弱く、少しでも薬品を撒くと絶対に寄りつかなくなります。でも我家の田んぼは、お米を栽培・収穫すると同時に、沢山の小動物、昆虫、微生物 の共生、楽園の世界を創出しております。自然と文明、経済の共生は中々難しいですが、一貫して生命が大事と いう想いから、私は最大 限、自然・有機循環栽培に努力しております。よせ狩りも、山間地はかなり重労働、危険です。そのかわり除草剤より、草刈機の除草は後がキレイで気持ちよい です。短時間の労働でもビッショリと汗をかきますが気持ちが良いです。もちろんビールも最高!

百姓3代目 大 松秀雄

第二回 9月8日(土)

食 べる ということは生命をいただくということで ある
この言葉に奮い立たない百姓はいないでしょう。私は、百姓として の『責任の重大さ』、
『喜び』を強く感じました。この言葉に恥じない真の農産物を生産すべく、
力 を尽くしたいと願っております。有機自然循環農法は、単なるテクニックではないでしょう。百 姓の人生そのものと思います。人を愛し、大地を愛し、自然に沿い、
そして限りなく努力して、美味しさと安心、生 命力あふれる農産物を生産し、
大勢の方に喜んでもらえる。そしてお役に立てる。これが真の農法、真の百姓道では ないでしょうか。
百姓3代目 大 松秀