栄養確保で370万人救える

  世界では2018年に栄養不足で発育が不十分な子供が5歳未満だけで1億4900万人いる一方、太りすぎの人が19億人に達したことが、WHOの発表でわかった。適切な栄養を確保するために投資をし、政策を進めることによって25年までに370万人のいのちを救うことができるとしている。WHOの山本尚子事務局長補は、「栄養は世界の健康状態を良くするための基礎の一つとして位置づけられるべきだ。すべての人が健康的な食事を取れるよう、よりよい食品を提供する環境も必要だ。」とコメントしている。
発表によると、1990年の発育阻害にあった5歳児未満は全体の39%2億5000万人だったが、2018年には22%1億4900万人の減った。だが、アメリカと東南アジアでは改善のスペースが遅くなっている。成人の太りすぎはほぼすべての国と地域で増え、19億人。そのうち、世界人口の13%にあたる6億5000万人が肥満だと推定。太りすぎと言われる子供も、1990年の4.8%から2018年には、5.9%に上昇。900万人以上の子供が該当するとみられている。
WHOは、こうした栄養の過不足による「二重の負担」対策に投資することは持続可能な開発目標推進に役立つほか、投資1ドルあたり16ドルの経済効果を生むとしている。
発表では具体的な対策として①妊婦に鉄と葉酸のサプリメントを提供すること。②母乳育児の推進③加工食品や清涼飲料水、ジュースなどによる糖のの摂取の制限④心臓病や脳卒中のリスクを減らすための塩分摂取の制限。。などを提案、それぞれの国内事情に応じて政策を決定するよう促した

サンケイ新聞 2019年10月2日朝刊

次の記事

塩沼亮潤