塩沼亮潤

五穀立ち。塩を断つ。熱さも感じなかった。塩断ちの功徳  23歳大峰山5~9月行

痛くても、治る、信じることで治る。後ろを振り向かない。

決断しなければならない時、右でも左でもどっちでもよい。

右でも左でも自分のベストを尽くせば悔いはない。

ただ、楽だと思った方に行けば、絶対に後悔する。

今がすばらしいと思えれば、過去もすばらしくなる。つらい人もいて、自分が磨かれる。

(三橋 敏次)

穀断ち(こくだち)は、修験道の行のひとつ。穀物を食べずに修行すること。別称を木食戒、断穀行。具体的には五穀または十穀を食べないことをさす。五穀・十穀の名をとって五穀断ち、十穀断ちともいう。人間の消化能力では木の実や草木から十分なカロリーを得ることは難しく、穀物を絶つことは実質的に減量を行うことを意味した。
穀物を人間の穢れにまみれた俗世の物と考え、それを食さないことで修行者の身を清廉にする行。修行者は修験者に多く、苦行形式である。穀物以外の木の実や草根を主として食べたというが、五穀・十穀とされる穀物に諸説あるなどの理由から、やり方に決まった方法はない。禁止する穀物によって修行の困難さにも差が出てしまうものとなっている。また即身仏になるための修行・入定において、体脂肪を落とすためにその最初の段階で行われる修行方法でもある。
この修行を行った者を、古代では「穀断聖」、中世以降は「十穀聖」や「木食」と称した。「十穀」と言う場合もある。木食戒を守ったものという意味で「木食上人」とも言われる。中世後期以後は勧進聖として活躍するものが多くなった。
また道教にも「断穀(辟穀)」といって同様に穀物を食べない修行があるが、こちらは断食に近い

 

大峯千日回峰行とは?
奈良県・大峯山の頂上にある大峯山上本堂までの往復48キロの山道を1000日間、1日も休まず歩き続けるという行である。1000日間連続というわけではなく、山を歩く期間は5月3日から9月22日までであるため 、千日回峰行が終わるまで約9年かかる。標高差1300メートル超!ちなみに、正月の箱根駅伝で、最長かつ最難関の山登りの5区でも、距離23.4キロで標高差800メートル超。いったん行に入ったならば、決して途中で止めることができないという掟。もし途中で止める場合は短刀で腹を掻き切るか、紐で首をくくり、命を絶たなければならない。

一日のスケジュール
標高364メートルの蔵王堂を0時半に発ち、漆黒の中を提灯と杖を頼りに延々24キロの険しい山道を登り、8時過ぎに標高1719メートルの大峯山頂に至る。同じ道を下って15時半に帰堂、自ら掃除洗濯、翌日の準備をして19時に就寝、23時半には起床。
40度近い高熱が出たこと、下痢が止まらなかったこと、心臓の具合が悪くなったこと、いろいろなアクシデントがあっても医者に診てもらうことはできず、もちろん行を休むこともできない。行の間は寺の敷地から出ることは許されない

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