100歳の教訓
ご長寿たちに共通している3つのポイント
1つは「できるだけ体を動かす」
日常の細々とした雑用をできるだけ人の手を借りず、自分でこなす。
2つめは「社会への関心を失わない」
お世話になるのでなく、お世話しましょう。脳の活性化につながるものと思われます。
そして3つめが「前向きでいる」ことです。
世界の最も長寿者は煙草好き。泉重千代翁も沖縄焼酎を毎日飲んでいました。くよくよしないで前向きに生きることが、ひいては心身の健康につながっているのではないでしょうか?
百寿者の食事
日本独特の食習慣である「和食」です。図に示すとおり、日本人の脂肪摂取量は、先進諸国中で飛び抜けて少なく、米飯を中心とした穀物の摂取量が多いという特徴があります。
魚の摂取が多いことも特徴的です。豆腐や納豆、味噌などの大豆製品の摂取も多く、これらは動脈硬化の進行を防ぐには理想に近い食習慣でしょう。食物繊維の摂取量も多く、乳製品も適度に含まれています。さらに、カテキンやビタミンCなどの抗酸化物質が多く含まれる緑茶は、動脈硬化やがんの予防に役立っている可能性があります。
これらは全て、日本人の主食である和食の特徴です。和食は洋食に比べてカロリーも非常に低いことが特徴です。ある研究では「カロリー制限を行うことが生活習慣病の発症予防や長寿へつながる」という研究結果が出ています。
和食は、日本の伝統的な食文化であり、一汁三菜を基本に新鮮な食材が素材そのものの味を尊重して多様に調理されていることから、栄養のバランスが非常に優れています。これらのことから、日本現代の健康長寿を支えているのは今の和食であることが考えられます3)。
しかしながら、お肉や甘味といった自分の好きな食べ物を長きにわたって食べ続けて百長寿者となっている方もいます。このことから、無理して節食していくのではなく、ストレスを溜めないような節食行動が百長寿者の食生活の秘訣となると考えられます1)。
長生きするための健康の秘訣
百長寿者の生活ぶりを見てみると、共通するのは皆、よく食べて、よく動いているということです。
また、身体的にだけではなく精神的にも充実した生活を送っている人が多いのが特徴です。大家族の中心として生活をしている、療養中であってもやりたいことにむかって前向きに考えているというのが良い例です。
これらのことから、長生きをするための健康の秘訣は怠惰なく日常生活を送り精神的にも肉体的にも自立し、充実した生活を送るということなのではないで
実際、精神的なストレスが免疫力を低下させること、そして笑いが免疫力を上げることなどは医学的にも証明されつつあります。大らかでポジティブな気持ちを忘れず、いつまでも人生を楽しめる器の大きさが、最大の「長寿のコツ」なのかもしれません。
女性よりも短命傾向にある男性の中でも、120歳まで生きたとされるのが泉重千代さんです。ただし後に兄の生年と間違っていた可能性が高いことが分かり、実際は105歳だったといわれています(1865年?1880年?~1986年)。
鹿児島県徳之島に生まれた重千代さんは、生年の勘違いもあってギネス登録され、一躍有名人となりました(後に証拠不足でギネス登録は取り消し)。自宅に観光バスが来るほどの人気者でしたが、迷惑に思うどころかむしろ訪れた人々に酒をふるまうなど、温かくもてなしていたようで
大好物は「黒糖焼酎」で、医師に控えるよう言われても毎日晩酌を楽しんでいました。ついでにタバコも70歳から(!)吸い始めましたが、こちらは医師の助言に従い100歳ごろで禁煙したとのことです。
足腰も丈夫で、100歳を越えても布団の上げ下ろしや雑用などを1人でこなしていたといいます。
また重千代さんは、自分の名前を勝手に使って「長寿の酒」を売り出した会社を訴えたことがあるのですが、その結果、看板料として一升瓶3,500本と、和解金109万円で手を打っています。もしかしたら、お金よりお酒のほうがほしかったのかもしれません。
ちなみにこの会社のものかどうかは分かりませんが、現在も黒糖焼酎「重千代」が販売されています。
長生きの秘訣は「お酒と女性」。そして「万事、くよくよしないほうがいい」という、ジャンヌ・カルマンさんと同じような言葉を口癖としていました。
日本の元祖ご長寿アイドル、きんさんぎんさん
ダスキンのCMで一躍有名になった、双子のご長寿「きんさんぎんさん」。成田きんさんは107歳、蟹江ぎんさんは108歳で天寿をまっとうされています。
きんさんの好きな食べ物は赤身魚、そしてぎんさんは白身魚と、なんとフライドチキンでした。実際、世界のご長寿には「お肉が好き」な人が意外に多く、2014年現在、世界最高齢となっている大阪の大川ミサヲさんも「肉食女子」のようです。
またぎんさんは日本茶が大好きで、1日に何杯も飲んでいたといいます。日本茶には抗酸化作用の強いカテキンが含まれているため、死後におこなわれた病理解剖でも、ぎんさんには動脈硬化がほとんど見られなかったとのことです。
そして、やはり2人も長生きの秘訣を問われて「くよくよしない」「いいことも悪いことも忘れる」と答えています。また「双子だったからよかった」とも話しており、実際きんさんが亡くなってからほどなくして、ぎんさんも旅立たれています。
ご長寿たちに共通している3つのポイント
1つは「できるだけ体を動かす」ということです。100歳まで自転車を乗り回していたジャンヌ・カルマンさんをはじめ、皆さん毎日の中でとにかく体を使っています。特にスポーツなどをしなくても、日常の細々とした雑用をできるだけ人の手を借りず、自分でこなしていました。
2つめは「社会への関心を失わない」「人との関わりを持つ」ことです。歳とともに自分の生活だけに閉じこもるのではなく、毎日新聞を読んだりテレビを見たり、他人とのコミュニケーションを積極的にとったりすることが、結果的に脳の活性化につながるものと思われます。
実際、多くのご長寿が世間から注目を浴びてあちこちに引っ張り出されるようになった途端、より若返るケースも多いものです。
そして3つめが「前向きでいる」ことです。これがもっともすべてのご長寿に共通していることでしょう。考えてみれば人より長生きするということは、それだけ親しい人との別れを経験するなど、数々の悲しみを乗り越えることでもあります。
それでも不幸の数を数えるのではなく、くよくよしないで前向きに生きることが、ひいては心身の健康につながっているのではないでしょうか?
実際、精神的なストレスが免疫力を低下させること、そして笑いが免疫力を上げることなどは医学的にも証明されつつあります。大らかでポジティブな気持ちを忘れず、いつまでも人生を楽しめる器の大きさが、最大の「長寿のコツ」なのかもしれません。