朝食ぬき

政府は2019年度の食育白書をまとめた。20~30代の若者は25.8%が朝食を抜くことが多いと回答した。政府目標は令和20年15%以下にするという目標は遠い。この5年間変化は感じない。甲田先生も、成人男性の朝食抜きには理解を示しているが、同じ行動であっても理由は180度違っている。今の若者は、少しでも寝たいのでほとんど食べる時間がないという。時間があれば、食べたい。でも、甲田先生の少食論が自らの意思で決めて朝は抜いている。そして、何よりも違うのが、小学生や中学生までもが、朝抜きがいいとは推奨していません。子供は成長過程にいろいろな栄養素が必要であり、積極的に摂るべきである。東大に入学するような子供は、食生活もしっかりしていて朝は食べている。しんぶんによれば、小学生、中学生については計4.6%が全く食べていないかあまり食べていないということである。

( 三橋 敏次)

 

私たちの脳は“ブドウ糖”をエネルギー源として使っています。朝起きたときに頭が「ボーッ」としてしまうのは、寝ている間にブドウ糖が使われて足りなくなってしまうためです。朝食を食べないと、午前中、からだは動いても頭はボンヤリ、ということになりがちです。脳のエネルギー源のブドウ糖を朝食でしっかり補給し、脳とからだをしっかり目覚めさせましょう。ごはんなどの主食には脳のエネルギー源になるブドウ糖が多く含まれているので、朝から勉強や仕事に集中できるのです。朝食は一日を活動的にいきいきと過ごすための大事なスイッチ。毎朝ちゃんとスイッチを入れましょう。

人間のからだには体内時計と呼ばれるものがあるのを知っていますか?一日単位で、すいみんや体温、血圧やホルモン分泌などの変化をつかさどっている大切な機能です。人間が健康に過ごすために欠かすことのできない体内時計は、光と関係があり、太陽がのぼっている間は活動的に、しずんだら休息しなさい…と働きかけています。これを「体内リズム」といいます。「体内リズム」が自分の「生活リズム」とズレてしまうと、からだにとってはとても大きなストレス。ズレによってからだと心のバランスが保てなくなると、しっかり活動することができなくなったり、感情が不安定になってしまうことさえあるのです。
「体内リズム」と「生活リズム」のズレをなくすには、まず朝食をしっかりとることがとても大切。朝食を食べるためには、夕食の時間も大切です。夕食が遅いと朝ねぼうして時間がない、朝おなかが空いてなくて朝食を食べられないなどの悪いリズムができてしまいます。ですから、からだにとって、そして心にとって、快適なリズムを子どものうちにしっかり身体で覚えていくことが大事です。そのためにも、毎朝しっかりたべる「癖(くせ)」をつけましょう。

 

 

農林水産省