坂村真民

 

坂村真民 1

尊いのは足の裏である /坂村真民

尊いのは頭でなく 手でなく足の裏である

坂村真民一生 人に知られず
一生 きたない処と接し
黙々として
その努めを果たしてゆく

足の裏が教えるもの

しんみんよ
足の裏的な仕事をし
足の裏的な人間になれ
頭から光がでる
まだまだだめ
額から光がでる
まだまだいかん

足の裏から光がでる そのような方こそ 本当に偉い人である。

ほんとうのやさしさは、心からのふれあいである。

つらい。痛い。さみしい人にとって、

あなたの笑顔とやさしさは生きる力を与えてくれる。

嫁にいくまで親しく口をきいたことのない父。

年老いて、初めてみる足の裏に「ありがとう」

とつぶやきながら、感謝をこめて足をもみほぐす。

そばで母が「ありがとう」とつぶやく

たった、それだけのことだけれども何十年もの時間が戻って

涙があふれた。

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