僕が肉をやめたわけ

その3:「マクガバン・レポート」と「チャイナ・スタディ」

ぼくが、肉をやめたほうがいいのでは?と思いだした理由には二つの食に関するレポートがあります。これについて賛否両論あるのは知っていますが、ぼくは妥当性があると考えています。

1975年にアメリカ上院栄養問題特別委員会によってまとめられた「マクガバンレポート」には、心臓病をはじめとする慢性病は、肉食中心の誤った食生活がもたらした「食源病」であり、薬では治らないと結論づけられています。

動物性食品を減らして、できるだけ精製していない穀物や野菜、果物を多く摂ることが推奨されています。肉、乳製品、卵といった動物性食品を過剰摂取すると、生活習慣病の危険性が高まりガンをはじめとする生活習慣病の発生率が高まるとされているのです。

レポートの中には、最も理想的な食事は日本食であると記述されました。こうした背景もあって、アメリカ国内そして世界中で日本食ブームが起こりました。

中国政府は1973年から1975年まで8億8千万を対象とした12種にわたるガン死亡率に関する調査を行ないました。65万人の作業員が関与するという前代未聞の途方も無い大規模調査でした。

この調査によって地域によりガンの発症に100倍もの違いがあることが分かったのです。中国はほぼ漢民族であるため、明らかに環境要因によるものであると推察できるのです。

このデータを元にして、中国予防医学研究所、オックスフォード大、コーネル大によって、1983年~1988年にかけて食習慣と病気に関する膨大な調査が行われました。それが「チャイナスタディ」です。

その結果は「人の健康には、動物性タンパク質が必要だ」という神話が、完全に崩壊してしまうもので、関係する各業界が震撼したのです。

このデータは、多くの業界とそれに密着する政府からの圧力によってコントロールされ、市民の注目から遠ざけられました。

「チャイナスタディ」は、以下のように結んでいます。

「健康を勝ち取る秘訣は、個々の栄養素の中にあるのではなく、栄養が含まれているホールフード、すなわち、植物性食品全体(丸ごと)の中にあるからだ。この無数の栄養が私たちの体内で協力しあって作用するとき、「健康」という驚くべきシンフォニーを奏でることになる。」

ぼくは、ここに書かれていることに共感しています。

一方で、こうしたレポートを否定する情報もありますので、そちらも紹介しておきます。

2014年6月のタイム誌 は「この40年あまりの食事指導は誤りであった」という特集記事を組みました。題して「Eat Butter」(バターを食べなさい)。「科学者は脂質を敵と見なした。彼らはなぜ間違えたのか?」という内容です。

「マクガバン・レポート」に基づく食指導により、脂肪が制限され結果的に糖質の摂取量が増加したため、肥満が増え糖尿病が増大してしまったと述べています。

糖尿病が増えているのはそのとおりですが、それは炭酸飲料などに含まれる砂糖や世の中に溢れるスイーツによる影響のほうがより関与していると、ぼくは考えます。

さて、なにを信じたら良いのでしょうか。

世の中にある様々な情報は、多かれ少なかれその情報に接する人々を誘導しようとするものです。政府や経済界、マスコミが大声で伝えようとすることは特に警戒すべきであろうというのが、ぼくのスタンスです。

どこまで行っても100%信頼できる情報と言い切れるものは少ないでしょう。ぼくの書いている、この記事にも同じことが言えます。ですから、最終的には読まれたあなたの判断となるのです。良き判断をするためには、普段からアンテナを張り自分で情報を集めて自分で選択してゆく姿勢が大事になると、ぼくは考えます。

「ぼくが、肉をやめたわけ・4」は、こちらからお読みください。http://morinohotori.com/shoku_kenkou/syop

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