砂田登志子


ニューヨーク・タイムスでたった一人の日本人記者として仕事をしていた頃に、
『食育』というものに出会い、それ以降40年近く、この『食育』に携わって参りました。

今では、食育のパイオニア、とまで言われるようになりましたが、その道のりは遠く嶮しく、
なかなか思うように進まぬものでした。

食育って、一体なんでしょうか。
私が考える『食育』は、食を通じた子育て・人間作り・健康づくり・生涯学習などではないかと思います。

私たちのカラダは、『食べたもの』で出来ている。食べたものが私です。あなたです。そして彼、彼女です。
3月11日の大震災後、こんな格言を思い出しました。

船は水で浮かび、船は水で沈む

これを食育に当てはめると、『人は食で浮かび、食で沈む』となります。

私たちは『食』で元気になり健やかになり、反対に、癌になり糖尿病になり寝たきり、呆けにもなります。
私たちはこれ以上、食で沈まない生き方、食べ方、考え方を学習しなければ、
明日を良くすることはできません。

食品を買う、という行為は選挙と同じ。あなたのお金、紙幣は投票用紙です。
正しい食を学び、賢く食べて、健やかな未来を育んで頂きたい、それが私の願いです。

食育ジャーナリスト 砂田登志子