安岡冨士子 伝承 古事記
オオゲツヒメ
オオゲツヒメ(オホゲツヒメ、大宜都比売、大気都比売神、大宜津比売神)という神様をご存じでしょうか。女神さまです。
まず名前がすばらしいでしょう。大ゲツですよ。ウィキペディアには「名前の「オオ」は「多」の意味、「ケ」は食物の意」と書いてありますが無視しましょうね。『古事記』に記述があります。スサノオ命が高天原を追放されてからヤマタノオロチを退治するまでの間の、言ってみれば話が一番盛り上がるところに、わざわざ彼女の話が挟み込んであるのです。オオゲツヒメがいかに語りがいのある、重要な存在であるかが分かるでしょう。
オオゲツヒメのお・も・て・な・し[編集]
あるときスサノオ命はオオゲツヒメに食料を求めました。彼女は次から次へと料理を運んで来てスサノオをもてなします。スサノオは座ってただ食べていればよかったのに、つい台所を覗いてしまいます。
多くの現代語訳では「あまりに色々なものが出てくるのを不審に思って」としてありますが、原文には理由まで書いていません。おおかた食事の支度をするオオゲツヒメのゆたかなヒップを盗み見に行ったのでしょう。
しかしそこでスサノオが目にしたのは、オオゲツヒメが鼻や口や、さらには尻から食べ物をひきずり出して料理している姿でした。それを今まで食べさせられていたと知ってカッとなったスサノオは「汚ねえことすんじゃねえよ」と絶叫、一刀のもとにオオゲツヒメを切りすてました。死んだ彼女の穴という穴からわさわさといろんなものが生え出てきました。頭からは蚕が、目からは稲が、耳からは粟が、鼻からは小豆が、性器からは麦が、尻からは大豆が生まれたのです。
いいですか。
- 頭から蚕
- 目から稲
- 耳から粟
- 鼻から小豆
- 性器から麦
- 尻から大豆、です。
わかりますね。何が嬉しくて女の目の穴から生えたものを高い金を出して買ったりありがたがって食べたりせにゃならんのですか。米なんかやめです。みなさん、これからは麦を食うんですよ、麦を。天皇陛下はもうずっと長いこと麦食をお好みです。わたしも大病をしてのち偶然その喜びに目覚めました。明日からはぜひ、麦飯をかみしめましょう。しっとりとして重たいオートミールをすすりましょう。パンの香ばしい香りやほのかな塩気を堪能しましょう。麦を大いに楽しもうではありませんか。
そして現在へ[編集]
以上は1950年12月7日の参議院予算委員会における、当時の大蔵大臣池田勇人による演説である。国民の多くの経済状況や栄養の偏りを考慮した上で麦食を広めたいとの思いでなされた発言だったが、真意を解しなかったマスコミにより世紀の大失言として報道された。ここに彼の意志を継ぎ麦食の良さを訴えるものであるが、彼の発言がやはり軽率だという意見は未だあるし、いくら理屈をつけてもオールブランはまずい。