介護雑感35

先輩に学ぶ
 
私の施設の相談員で高齢者がいらっしゃる。 大病院の看護婦長をされて定年をされて今介護施設で相談員として週2回ボランティアで出勤をしていただいている。なにしろ、綺麗で、 ちゃんとしてる 素敵な おばあちゃんで 言葉もハキハキをしている。 この健康の秘訣は何?なの?
 
私は夜勤なのであまり話す機会がずっとなかったのですが、たまたまた時間があって1時間ぐらい話をお伺いしました。
 
私は、70才で介護ヘルパーとして、働いているが、いままで誉められた記憶はない。てっきり、怒られるのだろう!注意されるのだろうし、あまりよい予感がしなかったのだが、注意は一杯あるけど、まず人の話をききなさい。あなたは、一生懸命はわかるけど、気持ちを楽にもって、笑顔はすばらしいって。
 
最近になって、急に仲良しになっていろいろ教えていただいて感謝。一番ありがたいのはおにぎりや手作りの食事。徹夜あけは、お腹がすく。新米に香り高い浅草のり(東京湾の朝草のりは貴重品で高い、真っ黒で香り立つ、私には買えない高級品)中には、塩鮭やおかか(おかかは、枯節を手で削って醤油は昔ながらの醤油。私には買えない高級品)漬け物や梅干しも手作り、コンビニとは、ひかくにならない。目えない贅沢で、一見質素だが愛情たっぶり。ともかく美味しい。お子さんも看護婦。ご主人は86歳。今も元気で働いている。
 
ご本人は、御年82歳、元気、元気、掃除機は丁寧だし、見習うことばかり。だから、神様は見守ってくれている。
 
まずは始めに、皆さんにお伝えしたいことは、404040の法則の話。夕食は、40分かけて自分で調理し、40分かけてゆっくり噛んで素材を味わい、40分かけて後かたずけしなさいと。加工食品や弁当は、普段食べるものでない。頭を使って、メモし、綺麗に作ることは、修行。そして、考える。これば安全とか。例えば、日本のソーセージには危険な添加物亜硝酸ナトリウムは発色剤として使われている。こんなのものは、食べなくていい。どうしても、食べたいのならアメリカ製のソーセージなど。添加物というのは国の規制であって、アメリカ、欧州で禁止のものも、日本では大量に使われている。また切った野菜、豚汁のもとは製造日から半年OK。なぜ?保存料がたっぷりだから、野菜は中国から、栄養なんてないし、水煮で味もない。次の40分はこれは、骨にいいとか。意念を持ってたべること。よく噛むこと。感謝すること。最後の40分は、食べる前よりも、綺麗になるよう片付ける。けっして、お金はかけないけど、体調はすこぶる健康。私は、まだ1週間しかやっていないが、素晴らしい法則であると思う。目の前に生き字引がいるのだから間違いない。トイレに入ったら、入る前よりもきれいにして出る。お風呂に入ったら、入る前よりも綺麗にしてでる。できない人は、忙しいを理由にやらない。そのうち、ゴミ山で汚ないからで、やれなくなる。
 
次に楽しめということ。いやいややっても、わくわくやっても1時間。どんどんじゃんじゃん話しかけて、励ますこと。なんでもいい。
手を挙げて、足あげて、股挙げて。魔法の言葉はなにしろポジティブ、笑顔利用者が一緒に遊ぶ感覚で、元気になれば介護の力は半分で済む。特に車いすへの移乗や、パット交換はとても楽になる。
 
最後に、時間があれば、話を良く聴いて、あげること。喜怒哀楽で、悲しかったら思い切り泣けばいい。
思い切り人に甘えていい。人は、話を聞いて貰うだけでストレスの半分は消えるという。特に認知症の人は、普通の人より感情が敏感だから、否定されると脳が混乱して、ますます分からなくなるという。介護に同調という考え方がある。外ははれている。けれども認知症の人が、「今日は、雨だねえ、寒い」と言えば、「晴れてるじゃん。違うよ。というよりも、同調して「そうね、雨で寒いから部屋に戻って、ベッドに入ろう」の方が心が和らぐ、これを嘘つきとは、言ってはいけない。聞く、聴く、訊くはどうちがいますか?聞くと言うのは物理的に聞くだけで心が伴わない。聴くは、耳と傾けて真剣に心を通じてきく。訊くというのは訊問反対に質問するという意味である
。聴く姿勢としては、目を見て目線をあわせる、うなずき、相手に真剣であることを理解させる
 
 
あなたは、よく勉強するし、知識も豊富なのに損をしている。いくら自分が正論をと思っても、人の意見を遮って、自分の意見を主張することはやめたほうがいい。
 
人は、どんな人でも遊びは必要。介護だって、あれダメ、これダメと言われたら反対に協力してもらえるどころか追い出される。たばこだってお酒だってパチンコだって、競馬だってそういうバッファーがないと、ちなみに、長寿王の泉重千代さんは、運動嫌い、お酒大好きだった。

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