食料自給率の真実

食糧自給率なんて、37パーセントになっても、そんなの関係ねえ。ほとんどの日本人は。今、食べられていれば、アフリカだろうと中国からの輸入食品であろうとなんでもござれ。裏を返せば、ほとんどの方がしんぱいしていない、その実感がない。でも、それが一番怖い。世界は、人口爆発や、飢餓人口の増加で食料は奪い合い、戦争に見舞われている国では、食料不足は深刻である。今年のノーベル賞は、戦火に子供達に食料を支援する団体。

 ノルウェーのノーベル委員会は9日、2020年のノーベル平和賞を飢餓の現場に食料を届ける「国連世界食糧計画」(WFP、本部・ローマ)に授与すると発表した。飢餓と食料不安は対立を生み、武力紛争につながることがある。また、武力紛争も飢餓を引き起こす原因になる。こうした悪循環を断ち切るため、委員会は「戦争や武力紛争にも終止符を打たない限り、飢餓ゼロという目標を達成することはできない」と指摘。食料を提供することは、地域の安定や平和に貢献するとし、「WFPはその主導権を握っている」とした。委員会は特に、新型コロナの流行が飢餓を悪化させている実態を強調した。中東やアフリカの国々では、長引く紛争に加えてコロナ禍によって物資の輸送が妨げられるなど、飢餓の危機に直面する人の数が急激に増加している。

日本は、本当に食料自給率を改善しようとする信念が国にあるのだろうか?元農水省官僚でキャノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹は「食料自給率は食糧供給の指標ではない。食料自給率の向上は、予算獲得や関税維持の看板にすぎない」と厳しい。「食料自給率が向上すれば、もう農業予算などいらないのではないかといわれてしまう。農水省にとっては。低いままの方がいいのだ」これが、国の本音なのである。

食糧の安定供給は、国家の最も基本的な責務の一つである。国民への食糧供給を盤石にしる政策の深化が求められる。

私くらい贅沢をしても、1人くらい食べ残したって、そんなに国に迷惑をかけているわけじゃない。だけど、みんながそんな気持ちになったとしたら、日本人は危ない。

一般の国民からしてみれば、数字の単なるお遊びで、35パーセントだろうが45パーセントだろうが、自分さえ、今さえ、お金があれば、なんとかなるさ。全く危機感が感じられない。人は、災害にあったり、いざ食べられなくならなければ、わからないのかもしれない。(食養指導士 三橋敏次 拝)

 

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