エンゲル係数

エンゲル係数とは。家計の消費支出に占める飲食費のパーセンテージとで一般にエンゲル係数が低いほど生活水準が低いとされる。2008年総務省統計局のデータによると、日本のエンゲル係数は25.4%となっている。その年のサラリーマンの全平均年収は420万、月に換算して35万円、平均飲食費は8万7千円。1日あたり三千円、家族3人で1人千円こんな姿が浮かび上がってくる。さて、この金額をどうおもわれますか?

現在は、その人の食に対する考え方や価格体系、生活習慣の相違など多岐な要素が加わり、単純に生活水準の指標とはなりえないのですが、たまには家計簿をじゅっくり眺め、いろいろな統計データを作成してみてはいかがですか?

人生85歳としてこれから将来いくら必要なのか?現状の預貯金を考えればどうせ計算したって、収入見込みも立たないし、病気や手術は予想できない。行き当たりばったりの人生しかできない。実際はそう思う。しかし、普段いろいろな知識を備えておけば、いざというときに役に立つこともある。

 ガンを宣告された。お金もない。身寄りもない。どうしよう。心配だ。そう思っていると段々暗くなって食に対する関心も薄れ、命は医者まかせ。ただし、お金の切れ目が命の切れ目。

80歳で乳がんを宣告された先輩は、乳がんに感謝、決して弱音ははなかい。このくらいの症状ですんだとプラス意向で考えることができたなら、きっとうまくいく。はたしてその通り、乳房に少しメスを入れただけで元気に働いている。美智子上皇様におかれても、80をこえて手術をされている。いつも笑顔。その先生の家計簿には数字がいっぱい並んでいる。電話番号や美味しかったレシピなど、いろんなことが書き込まれている。他人にわからないような図や絵やマークらしきものまで、暗号もどきの数字の羅列、本人にとっては、かけがえにない宝物にちがいない。私の母のかいていた家計簿がある。私の生まれた昭和25年にはにぼし25円イワシ30円切イカ佃煮15円あさり30円コロッケ20円、などなど。たぶん5人家族で会ったので5人分の食事と思う。その時代の母の苦労がしのばれて、思わず眼がしらが熱くなった。小学校のころのおやつは、お芋のふかしたやつが多かった。次の日には、それを太鼓のように切って両面を焼いてたべたり、羊羹みたいになったり、いつも芋ばかりだったけれど、今思えば母ができる精いっぱいの想いやりだったような気がする。イカと里芋の煮つけ、母の手をかりてつくったことがあったっけ。それはまさにおふくろの味で私の大好きな料理になった。

毎日の積み重ねが、将来の道標。数字は嘘はつかない(三橋敏次)