適応食

適応食、人類本来食

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歯の形からわかること

 人間の歯をみると、私たちが、どんなものを食べればいいのかがわかります。人間の歯は、親不知も含めれば全部で32本。このうち、臼歯は20本、門歯は8本、犬歯は4本です。全体にしめる割合でみると、臼歯が62.5%、門歯が25%、犬歯が12.5%ということになります。 臼歯はうすの歯で、これは穀物をすりつぶして食べる歯です。

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門歯は、海草や野菜をかみ切る歯です。犬歯は、肉や魚を食べる歯です。 ですから、この役割分担の割合の通りに食べるのが、私たちの身体にもっとも適した食べ方であるということになります。

 つまり、一度の食事のうち、62%は穀物、25%は野菜や海草、5%が肉や魚というのが望ましいのです。

伝統的な日本食は健康食の理想

 1977年、アメリカでは、マクガバン議員を委員長とする上院栄養特別委員会が、文明先進国の病気は食べ物が原因の病気、食源病であると結論づけています。

 そのマクガバンレポートでは、それまで肉食中心でタンパク質や脂肪の摂取量が多かったアメリカ国民の食事について、「炭水化物の摂取量を一日のエネルギー摂取量の55~60%になるように増やしなさい」と言っています。これは、人間の歯の形状にみる適応食、つまり、臼歯の割合と一致しています。

 そして同じくマクガバンレポートでは、「今日、世界中でただ一つだけ、理想的な食生活を送っている国民がいる。我々も見習うべきであると」と言い、伝統的な日本食のすばらしさを指摘しています。

 このように、伝統的な日本食は、世界的にみても大変すぐれた健康食なのですが、しかし、戦後台頭した現代栄養学は、「日本人のタンパク質や脂肪の摂取量は、欧米人に比べて少ない。もっと、肉や卵や牛乳を飲みましょう」ということになったのです。

 その結果、戦後間もないころに比べて、今日の日本では、一人あたりの卵の消費量は6.4倍、肉は10倍、乳製品は19倍にもなっています。

 過去何千年と続いてきた食習慣が、短期間のうちにこれだけ変化している動物は、地球上どこを探しても、人間以外には見あたりません。これでは病気にならない方がおかしなくらいです。

 この点に、ガンをはじめとする生活習慣病の増加の原因があるというのは間違いないといえるでしょう。  

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