チリ落盤事故
免疫力を高める、「笑い」の効用
「笑い」がストレスを解消し、病気を遠ざけることがさまざまな研究で明らかになりつつあります。生活習慣病の予防に「笑い」は大いに役立ちしそうです。今回は、「笑い」と免疫力の関係をご紹介します。
ユーモアや笑いが「生きる力」を与える
2010年に起きた、チリのサンホセ鉱山落盤事故。その救出劇は、今もなお感動的な出来事として世界中の人々の記憶に残っていることでしょう。33名の鉱山作業員が地下700メートルの避難所に閉じ込められ、17日間連絡が途絶えたものの、その後無事であることが確認され、事故から69日後に全員が救出されました。
後日、作業員のチームリーダーが朝日新聞のインタビューに対し、過酷な状況の中、生き抜いた理由について、「希望があったこと、楽観的であり続けたこと、そしてユーモアを忘れなかったこと」と答えました。このことは、ユーモアや「笑い」がいかに、「ヒトの生きる力」と密接に関わるかを物語っています。
チリ落盤事故単語
チリ落盤事故とは、2010年8月5日にチリ共和国北部、コピアポ郊外のサンホセ鉱山で起こった事故である。
概要
金と銅を地下624mの位置で採掘してしていた33名の作業員は
400m付近で発生した落盤事故のために地表に戻ることができなくなってしまった。
元々地盤がやわらかいため、またいつ崩れるかもわからない状態で、
埋まってしまった坑道を再度掘ることは危険とされた。
作業員たちは地下700m付近にある避難所で過ごしており、
そこには通常3日分の食料しか備蓄していない上、32~34℃と暑い。
そのため、当初感染症が心配されていた。
補給がなされるまでの17日間は、
1日おきにツナ缶を2さじ、牛乳半カップ、クラッカー半分、桃缶1切れを摂取していたという。
一連の流れ
8/5 | 落盤事故発生 |
8/22 | 直径13cmの2つの穴が通される。1つは食料・薬の補給用。もう1つは通信用。 33名の生存をチリ大統領が発表 |
8/23 | 食料や水が届く チリ保険省がNASAへ協力要請 |
8/26 | 家族が鉱山の所有者と監督する国家機関に告訴 →2004、2007年にも落盤による死亡事故が起きているにも関わらず、再度の営業を許可したため |
8/30 | 救出用の穴の掘削を開始 |
9/1 | 温かい食事・DVD・日用品・服・薬などが届く 救出用の穴41mまで掘削 |
9/4 | 家族とテレビ通話ができるようになる |
10/9 | 救出用の穴が貫通 |
10/13 | 33人の救出を開始。チリ・ボリビアの大統領2人もかけつける。 |
10/14 | 全員の救出が完了。救出後に全員病院へ。3人が退院 |
10/15 | 28人が退院 |
救出後の問題
今後の問題
あくまで可能性です。
- 責任問題 – 前述のように2004,2007年と2回の落盤事故が既に起こっていた。
- 鉱山の管理 – 2000ほどある鉱山の監督をしているのは管理局職員2人だけ。管理不足では?という指摘。
- 大統領 – 今回の落盤事故を大統領がパフォーマンスとして使ったのでは?との憶測が存在。
- 同様の事故の発生 – 中国の炭鉱とエクアドルの金山で同様に落盤事故で閉じ込められる事態が発生している。
- メディア化 –
作業員の体験談が映画・小説・エッセイ・雑誌・新聞・テレビなどの各種媒体に使われる可能性があり、
また作業員の間で金銭問題が発生する可能性がある。