タベルナ危険

国内産の小麦からは検出されず、輸入小麦に原因

 

市販のパンの検査

農民連食品分析センターが残留農薬検査を行った市販のパン。15商品のうち11商品からグリホサートが検出された(写真/農民連食品分析センター)

 日本の小麦の自給率は約14%で、多くを米国、カナダ、オーストラリア、フランスなどからの輸入に頼っている。
昨年から今年にかけて、「農民連食品分析センター」が日本国内で販売されている小麦粉やパン、パスタなど小麦製品の農薬残留検査を行ったところ、
そのほとんどから農薬の成分グリホサートが検出された。国内産の小麦からは検出されていないことから輸入小麦に原因があると思われる。
一方、米国では市民団体が外食店を調査したところ、全ての店の商品からグリホサートが検出された。日本でもおなじみのドミノピザやダンキンドーナツ、マクドナルドやサブウェイなどの商品からも検出されている。
グリホサートは2015年にWHOの専門機関(IARC=国際がん研究機関)によって発がん性物質に分類され,その後米国において3件の訴訟で非ホジキシリンパ腫の原因物質として認定されている。(※8月11日にはアメリカでモンサント側にラウンドアップ使用で末期がんになった男性に320億円の支払いを命じる評決が出た。*
”除草剤で末期がんに、米裁判 モンサントに約320億円の支払い命じる陪審評決”|AFPBB

原産地が「米国」「カナダ」と表示された商品からはすべて検出


農民連食品分析センターがグリホサート残留検査を行ったのは、市販の小麦粉やパスタなど24商品、パン15商品。
 検査した商品のうち、小麦粉類17商品中13商品、パスタやマカロニ4商品中3商品、シリアルやパン粉3商品中2商品からグリホサートが検出された。

shokupan

農民連食品分析センターが行った、市販のパンの調査結果

 パンの場合、15商品中11商品から検出されており、全体の約7割、39商品中29商品からグリホサートが検出されている。
検査したパンやパスタには原産地が表示されていないものがほとんどだが、「有機」と明記されたマカロニ以外、米国やカナダと表示されたものからはすべて検出されている。小麦原産地が国内産であるものからは検出されていない。
この結果は、農水省が行った検査結果(2017年)とも一致している。
同検査では、輸入された米国産小麦の97%、カナダ産小麦では100%からグリホサートが検出されている

グリホサートは植物の生長に必要な一つの酵素を阻害します。この酵素はヒトや動物は持たないため、ヒトの健康に対するリスクは低いのです。動物を使った広範な毒性試験では、グリホサートは、がん、先天性異常、DNAの損傷、神経系への影響、免疫系への影響、内分泌かく乱、生殖上の問題のいずれの原因にもならないことが証明されています。米国環境保護庁(EPA)は、グリホサートの発がん性を「ヒトに対して発がん性がないという証拠がある(evidence of non-carcinogenicity for humans)」というカテゴリーEに分類しています。
※注:日本の食品安全委員会農薬専門調査会はグリホサートの評価書において「神経毒性、発がん性、繁殖能に対する影響、催奇形性及び遺伝毒性は認められなかった。」と結論付けています。(2016年3月24日)