温暖化穀物価格23%上昇も
産経新聞20190809朝刊
国連の気象変動に関する政府間パネル(IPCC)は8日、旱魃などの増加で2050年に穀物価格が最大23%上がる恐れがあり、食糧不足や飢餓のリスクが高まると警告した特別報告書を公表した。地球温暖化が土地に与える影響をまとめており。水不足にさらされる人口も増えるなど影響は多岐にわたると指摘。IPCCは、来年本格始動するパリ協定の下で、対策を強化するよう訴えている。報告書によると、陸地の平均気温は、陸と海を含む地球全体の2倍近いペースで上昇している。将来は熱波の頻度が増え、地中海沿岸や西アジア、南米などで旱魃が増えると予測、他の場所でも、旱魃、砂漠化、山火事、害虫の発生、土壌侵食、永久凍土の溶解などを引き起こすとした。
食糧供給に関しては、温暖化により50年に穀物価格は最大23%上昇して食糧価格も高騰し、貧しい人が最も影響を受けると強調している。
乾燥地域では砂漠化などで作物と家畜の生産性が下がる。水不足や旱魃にさらされる人口は、産業革命前とくらべ今世紀末に気温が1.5度上がる場合は50年までに1億7800万人、2度上がるなら2億2千万人に上ると見積もった。