家族団欒の減少「食育白書」

政府は2006年11月24日の閣議で、昨年施行された食育基本法に基づく初の「食育白書」を決定した。ライフスタイルや価値観の変化に伴い、「毎日の食の大切さへの意識が希薄になって来た」と指摘。家族そろって食卓を囲む機会の減少や、栄養の偏り、朝食を抜くなどの不規則な食事が目立つようになり「健全な食生活が失われつつある」と警告を鳴らしている。
白書によると、毎日一緒に夕食をとる家族の割合は1976年に36.5%だったのが、2004年には25.9%にまで低下。同年の調査では「週2・3回」との回答が36.3%で最も多かった。
一方、朝食を食べない人の比率は年々上昇しており、2004年は10.5%で過去最高を記録。年代別では20代が27.4%で最も多く、特に男性は34.3%と3人に1人が食べていない実態が明らかになった。小中学生の朝食の欠食率は3%程度にとどまっているが、2005年の調査では小学生で2割、中学生で4割が「自分ひとりで」朝食をとると答えている。栄養の偏りにかんしては、脂質の過剰や野菜不足などを指摘、野菜の摂取量は年齢が高いほど多い傾向にあるものの、1日の摂取目標量とされる350gには全世代が達していなかった。メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)について「強く疑われる」と「予備軍と考えられる」を合わせた割合は。中高年(40~74歳)の男性で51.7%。女性で19.6%に上がった。
政府は食を取り巻く状況の変化を踏まえ、健全な食生活に必要な知識の習得など「食育」の推進を打ち出し。今年3月に食育推進基本計画を決定。2010までの目標として、朝食を食べない子をなくすなど9項目をあげている。