投稿原稿

朝晴れエッセー応募原稿
 食育の原点(安心・安全)
 子供会に笑いヨガの講師として招かれ、その後パーティが予定さ
れた。私は終わりに食養指導士として「いだだきます」のお話をさ
せていただいた。
 場所は街はずれの少々朽ち果てた公民館。隣の部屋にはすでにお
母さん達が用意してくれた料理が並んでいた。机には白いクロスが
掛けられ、素材を生かした器に、おにぎりと木の葉飾りの和総菜の
盛り付け。主催者のお母さんが「さっき。先生から教えていただい
た、いただきまーすを毎日ちゃんと手を合わせている子は手を挙げ
て下さーい。といいましたら、三分の一位の子の手が挙がった。こ
の中には、たぶんお調子者も何人かいるだろうからホントはもうす
こし少ない気もするが?でも、今日だけは全員が頂きまーすと元気
な声で手を合わせていただいた。最後まで手伝ったリーダーはさす
が、残り物すべてをお皿に並べ替えて、それぞれに、お土産に差し
上げた。
 残されたものは、笑顔と笑い声とぶどうを絞った皮のカスだけ。
きょうの、この楽しみは笑いヨガもさることながら、子供たちの心
の隅に思い出として残ってくれると信じている。お母さん方が一生
懸命に用意してくれた食べ物に、愛情と感謝を気持ちを持たぬ子供
など誰一人としていない。こういうお母さんが支える街には、子供
の虐待や、殺人といったおどろしい事件などおきようはずもない。
日本の歴史をさかのぼれば,飢えに苦しんできた民族でもある。食糧
自給率39%。今、私たちは興隆か滅亡か食を通じて試されている。