古越裕章 食物の力を見直す時がきた

神代の時代、須佐之男(スサノオ)は倒した大氣津比売神(オオゲツヒメノカミ)から、稲、栗、小豆、麦、大豆が生まれたことから農耕の神として知られる、また大国主(オオクニヌシ)は因幡の白うさぎの話の中で、傷ついたウサギを蒲の花粉で治した、このように植物を起源としている。
アジアの国々は、植物を主食とする「待ちの文化」種をまき、芽が出て花が咲き、そして実る。この育む時間に、四季の歌を詠み、絵画を描くなどの文化だ生まれた。これが農耕民族。私たち日本人は昔から摂取してきた食物は、質素ながら実に力になるものが多い。さらに、海洋の恩恵もある。この地球が育んだ食物の力を見直す時が来ている。
近頃。健康食品の過剰摂取等の問題が取りざたされる機会が多い。健康食品は間違えると特定の栄養を取りすぎてしまう。自然の食品ならば、ある程度カサがあるので摂取が抑えられるのだが。食物摂取による知恵が求められる。
行政は、トクホを生み出した。しかしそれだけ摂取していればいいというものではない。自然の食物にはまだ知られていない、未知の機能性がたくさんある。ケミカルサイエンスでは超えることの出来ないナチュラルサイエンスの領域を実現していくのだ。

日本健全食普及会 古越裕章