古越裕章 伝承の食習慣の見直しを

日本人の食生活になくてはならない大豆。大豆を使った料理のレパートリーは、数えきれないくらい存在しています。しかし、その多くにある法則が隠れていることはあまり知られていません。
味噌汁にワカメ、ひじきの煮物に大豆。細切り昆布の煮物に大豆。いわゆる家庭料理では大豆と海藻の組み合わせたものが多くあります。これらは、決して、味とか食感だけで選ばれているわけではありません。漢方の世界には、いうならば「ミクロだけではなくマクロで食を捉える」という考え方(法則)があるという。この食材の組み合わせは、ヨウ素など海藻の栄養素と大豆の栄養素それぞれ単体というミクロ的な発想ではなく、組み合わせが植物に含まれる様々な相殺効果を生むというマクロ的な発想により、考えられたレシピと言える。
例えば、ヨウ素欠乏状態にいおて、大豆のイソフラボンは有効とされ、1960年乳児の大豆調整乳にヨウ素の添加が開始されるなど、ヨウソと大豆イソフラボンと関連した報告は多い。事実、11月7日に行われた食品安全員会の会合で配布された資料の中にも何点か記載されている。
先人たちは、大豆の機能性について感覚的に気づいていたのかも知れない。

日本健全食普及会 古越裕章