古越裕章 エビデンスを有すナチュラル素材

自然のものを自然のままで摂取することの重要性について今回は触れてみたい。
そもそも、東洋人は魚以外の動物性の食品は多く摂取してきていない。米を主食としている日本人は、副菜にも、野菜などを食すという具合に植物性の食材を多く摂取してきた。これは、東洋人が生きてきた中で一番合った食習慣と言える。
現在健康食品として流通している素材の中でも、古来から食生活の中で自然に用いられてきた素材も多く存在する、例えば、今でもチマキや笹団子のように食物の保存に用いられている「クマザサ」は菌に強いことが知られているが、この抽出エキスは健康と美容の為に多くの人々に飲まれている。「げんのしょうこ」はその語源がそもそも「飲めばすぐに効く」といった意味を持つ。胃の調子を整えるための民間療法薬として用いられてきた。これらは、伝承的な使用法で古来から食されてきており、最近では、研究者により様々な機能性が解明されつつある。これと同じように、ナチュラルな素材で、且つエビデンスを有す素材は多数ある。
また、動物性の食品でも例えば「シジミ」や「牡蠣」などは肝機能改善や活力を得るために食されてきた背景がある、同じ動物性でも食性がある日本人には馴染みの食物だ。一方で、カドミウムや水銀などの問題を挙げる人も入るが、それらは、非常に微量であり、育った環境の中で自然と含有されたものだ。これを、問題視するのも良いが、添加物まみれの加工食品を多く摂取するほうがもっと、多くの問題を孕んでいるのでないかと思う。
日本人は、発酵や醸造などの技術で、食品のもつ栄養を最大限効率よく摂取する技術をもっていたのだ。それらは伝承として残っており、実際に各地方では今でも食されている。
この伝統の食習慣が最近見直されてきている。化学的な製造法用いた食品が多く流通する中で、誰がみても、自然であり身体に違和感なく吸収される食物そのもの、そして素材由来のサプリメント、健康食品を上手に取り入れることでビタミンやミネラルを補うスタイルが現代人に求められている。

日本健全食普及会 代表 古越裕章