古越裕章 見直される雑穀の底力!

日本では、古来より米食文化が根付いてきた。その形態はかなり様変わりしてきている。現在私たちが食している白米は、艶やかに光り、ふっくらと柔らかく炊き上げられ、食卓にのぼる。
だが、米の栄養は白米に精製される過程で落ちる糠にこそある。米編に、健康の康と書いて糠と読む。また同様に白米に白とかいて、粕となる。先人たちの知恵はすばらしい。
大昔、我が国では、粟、稗、そして黒米などの雑食を食してきた。中でも黒米は、タンパク質はもとより、植物繊維や抗酸化能で知られるアントシアニンが豊富に含まれていることがわかっている。
近年雑穀底力が解明されつつあり、雑穀が見直されてきている。そのような中、流通の発展で海外からも多様な穀類が入って来た。特に最近注目されている南米のキヌアは、高地で育つ生命力が強い穀物。ミネラルを多く含み、現代人にマッチした食材と言われる。
東京女子医科大消化器センター名誉所長の故・中川恒明氏は術後すぐの患者に重湯をのませ、傷の回復能力を推進させたというが、米にはまだまだ秘めたるパワーがあるそうだ。今後も美味しく、日本人の生活や体質にあった摂取方法を考えて行きたい。

日本健全食普及会 代表 古越裕章