食育の原点

石塚左玄著書において「体育・智育・才育は即ち食育なり」と述べています。いいかえれば、食育は体育、智育、才育よりも重要で、横並びではないということです。体は食べたものでしかできていません。つまりきちんと栄養がいきわたり、健康であってはじめて勉強が身について道徳心や新しい情報吸収でき、知能が向上します。また手も足も、なに不自由なく動かせ歩いたり、走ったり、泳いだりすることによって体力がより向上するのです。食が何よりも先であって、食育の原点は、食べることへの感謝(いただきます。ごちそうさま)。以外なにものでもありません。感謝があれば、おのずから食べ残さない、丁寧に(箸使いマナー)きれいにいただく。日頃からそのような生活をしていれば、生活習慣病にはならない。心がきれいで素直な気持ちになれ、体も健康になる。食が基本かつ最重要事項なのです。

 

最近、目にあまる凶悪事件が相次いでいます。犯人像を紐解くと必ず食が乱れ、心が乱れ、(部屋が乱れ、ひきこもり)脳が乱れてくる。コミュニケーションもなく、突然の事で防ぎようがない。その上、精神鑑定において責任能力がないとなるとなったらこの怒りはどこへもぶつけようがないのです。

 

最近、認知症が急激にふえています。結果があれば、原因がなければおかしいのです。いろいろ推察はされているが、最新の研究によれば、ミネラル不足による栄養失調や食品添加物などの過剰摂取がその一因との報告もあります。

 

わたしの食事はいいかげん、心もからだもいいかげん。今回はゴミの問題から食育の問題を考えてみたいと思います。ゴミを粗末に扱う(分別しない)人は、食べ物を粗末にし、その末に自分が他人から粗末に扱われる存在になるのです。

アフリカ発の女性ノーベル賞平和賞受賞のケニア環境大臣ワンガリ、マータイさんが提唱する「MOTTAINAI」は国際語になっている。まさしく日本語であり、日本人の食の在り方に警鐘を発している。
 飽食の時代、日本は地球の裏側からさえも、食料を輸入している。ほしいものはドンドン買って、正味期限をすぎたものはサッサと捨てるという食品浪費型社会を作ってしまった。鏡モチも固くなったといって捨てる、ゴミ袋は3つも4つも貰ってすてる。誰も、ダイオキシンやマイクロチップが海洋汚染し、やがて自分たちの健康を害することをしらんふりしている。日本人の恥であるうちはいいが、そのうち日本人はいなくなる?

お店では前の棚から手を突っ込んで、一番奥の賞味期限の長い商品をとり、家に帰ると冷蔵庫の一番奥にストックして古い商品から調理する。その一連の動作になんのためらいもない。ゴミ袋には、ペットボトル、瓶、缶、果ては医療用の注射器放り込んで、朝出したらはいおしまい。
大学院を卒業し、映画製作に夢を抱き、やがて破産。夢破れた青年の落ち着いた先は清掃回収車のアルバイト。雨の日にはビニールは破れ、ありとあらゆるものが入り混じったえもいえぬ悪臭の中で、悪戦苦闘して働いて働いて5年目にやっと正社員になって今も懸命に働き続けている。衣服ばかりか、体中がゴミの臭いで、風呂に入っても臭い。学生時代の多くの友人は、街で会っても落ちぶれ者としての視線が鋭く突き刺さる。なぜ、ゴミを出す人間と、ゴミを回収する人にこんなにも差があるのだろう?映画に夢中になり、夢を語った妻も今はスーパーのレジ係。子供はおばあちゃんに預け働きづくめ。もうこんな仕事はいやだ。やめようと決意し妻に相談した。妻は、夫の苦労を一緒に背負ってきたのでいえない。そんな日がなん日か続き、妻が夫の仕事のことを地方新聞社に投稿をして、その記事が載った。その姿がローカルテレビ局でも放映された。今、二人はマイホームを夢見て迷いなく働いている。


新聞概説「ゴミは毎日毎日私の家からも出る。夫は映画監督の夢破れ今は清掃員といて働いて5年。夫が突然辞めたいと言った、学生時代から夫と暮らしている私は返事が出来なかった、どうするの?それが精いっぱいの答え。夫は閉じこもりがちで、出かけるのはパチンコ。彼の持っている問題意識は、今の職場の環境を変える大きな力になりうるのに、ここでやめてもいいだろうか?今、小学生になった娘は、街で作業着のお父ちゃんを見かけると「あ、父ちゃんだ」と自慢する。夫は恥ずかしくて娘にきつく諭したが娘はそれでも仕事を理解している応援者。給料も安いし、祖父母もちゃんとした仕事につきなさいとくちぐせのよう。いかに真剣に取り組んでも、ガラスの破片で怪我をしたり、雨でぬれて転んだこともある。辞めてもいい、でも逃げることは卑怯だ。介護とか清掃は8k(きつい、きたない、きけん、給料がやすい、休暇がとれない、帰れない、結婚できない、会社に使われる)の職場と揶揄され、
仕事上の地位も低く見られ、外国人にやらせればいい、年寄りにやらせればいい、頭のわるいやつにやらせればいいと思っている人も大いにちがいない。自分にとって不都合な真実はふらんぷり。人出不足で人がいなくても、だれかがやらなければ、いけない。あなたが出したゴミは、多くの人の働きと莫大な費用が掛かっている。ゴミを出すときに、夫のことを少しでも考えて下さい。  袖ヶ浦市 寄居よし子34歳
 」

今、夫は清掃作業員の指導員として、誇りをもって頑張っている。将来は、経営者の後継者として考えてもしてくれている様子、大学院を出て、一番の下から這い上がった夫は、立派な経営者になると信じてる。


宇宙ステーションでは、究極の最先端技術でリサイクルの研究がされている、尿は飲料水に、うん宇宙農業の野菜の肥料に、その他のゴミは厳しく分別され、圧縮し大気圏で完全焼却しています。ゴミの絶対量を減らすには、何ができるか?そこから食育は始まると思う。