乳首の勝利

増田明美 産経新聞 2019-0723 (参考)

「ようこそ、北海道里士別町へ」と掲げられた陸上競技場で、ジャージ姿の女子高校生がストップ
ウオッチを手にタイムを計っている写真が・ポニーテールの優しい顔の彼女の横には「彼女の記録は残らないが、彼女がいないと記録は残せない・・・」と書かれていあた。士別翔雲高校の学校紹介だが、その言葉に胸が熱くなった。

福士加代子選手が、いつしかレースで勝利した時に、ラストスパートで勝ち乳首勝ちですと笑顔でインタビューに答えていた。最後の一歩は食事の勝利かもしれない

栄養管理士の仕事もしかり。以前、マラソンに転向した福士加代子さんが所属するワコールチームを取材したとき、副士さんがたっぷり時間をかけて食事する姿をみた。トラックの5千メートルや1万メートルで日本の頂点に君臨した福士さんもマラソンでは何度も失敗した。その原因の一つに食事の量が少ないことによるスタミナ不足があった。

その後、チームに栄養管理士の沢野千春さんが加わり、食事面で選手を支えるようになった。「まずはご飯をいっぱい食べること」と沢野さん。それから、福士さんの走りはみるみる安定した。モスクワでの世界選手権で銅メダル。そしてリオデジャネイロ五輪と、順調にマラソンを走ったのだ。
そして、今回はMGCに向けて順調に走り込みをしている。「私は人生をかけて目標に向かう福士さんや皆さんを食事で笑顔にしたいです。と沢野さんは話す。またあのポスターが頭に浮かんだ。
陰で支える人のことを知り、やさしさの連鎖が起こる、そんな社会が心地いい。


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同じ日の新聞に、東京オリンピック選手村の食事にマクドナルドは排除の記事、選手村では、日本のすべての都道府県から食材を集め、日本料理も多くの選手に楽しんでもらうよう工夫をこらしているそうな。しかし、よく読んでみるとマグドナルドは、選手村の食堂以外では、24時間営業で選手にハンバーグを提供するそう。マックは世界の味を、制覇してしまった。マックは世界の標準食?どんどん食べて、どんどん飲んで、消費をしてスポンサー企業に大いに儲けてもらって、寄付を出していただく。オリンピックは商業なくして成り立たない。