中島常充
『はじめに土あり』中島常充(なかじま とどむ)著
農地の土の成分を分析し、足りない栄養分のみを補充し、
病気に強く、農薬を少なく出来る・・・農法
良い根を持ったものは、天候の変化にも強く、
色・艶・形・味・含まれる栄養も昔ながらの抜群に良い実をつけるそうです。
そのような良い根を育てるには、
空気を含んだ柔らかい土であることと、
土中に含まれる栄養がその作物に会ったバランスで含まれていることが大切だそうです。
今までの農業の常識としては窒素・リン酸・カリの三大栄養素をじゃんじゃん与えて、
無理やり太らせようとする方法がとられていて、土地の力があるうちはそれでも豊作が続いていました。
でも、ある栄養素だけが過剰になってくると、他の栄養素の吸収の妨げになったり、
栄養が与えられすぎたことで、根自体が栄養を貪欲に吸収する必要がなくなり、成長が悪くなり、
天候の変化や病害虫への耐性が弱くなってきたというのです。
著者は、
「栄養を与えるだけの計算ばかりでなく、養分を受け取る側の生命の機能を見落とすことはできません。人間の腸も同様のことが言えます。・・・中略・・・根と同様に選択吸収をします。生命は、必要なものは取って、必要でないものは取らないということが大切だとわかります。」
と書いています。
健康番組や雑誌を見て、アレが良い、コレが良い...といって、
身体に良いものを沢山与えてもダメで、
栄養を吸収する側の”生命のシステム”に見合ったものを与えなければ、
かえって害になったり、命を弱らせてしまうのですね。
しんそう特別研修会で頂いてきた林宗駛先生の新刊本『ゆがみを治す本』地道出版の中にも
私達は勝手に生きているのではなく「親・水・火・空気・太陽(光)・土の6つの必須条件の中で”生かされている”のである」ということが書かれています。(この本にはもっともっと良いことが書かれているのですが、詳細はまた後日)
自分の体のゆがみを治すことから始まって、「しんそう法」を勉強するようになって、
バランスということを考え出したら…いろいろなところで共通することがらがあることに
気付くようになりました。
これからは、分野別の細かく切り刻んだ研究だけでなく、
それらをグローバルな目でみる”全体のバランスを見る時代”なのだなあーと思うのでした。